最近導入されたEUの森林破壊防止のためのデューディリジェンス義務化に関する規則(EUDR)は、カンボジアからEUへのゴムや家具などの製品輸出に大きな悪影響をもたらすとされています。
2020年には武器以外の全品目(数量制限なし)のEU域内への輸入関税を撤廃する制度(EBA)が一部廃止となり、カンボジアからEUへのアパレル製品の輸出にダメージを受けましたが、今回は木材やゴム製品もダメージを受けることになりそうです。
同規則は、パーム油や牛肉、木材、コーヒー、カカオ、ゴム、大豆をEU市場に上市、供給、またはEUから輸出する全ての事業者、貿易業者に対して、デューディリジェンスの実施と報告を義務付ける。また、皮革、チョコレート、家具、印刷紙、一部のパーム油ベースの派生製品(例:化粧品の成分)など多くの派生製品にも適用される。
引用元:JETRO 「EU、森林破壊防止のためのデューディリジェンス義務付けの規則発効へ」
生産された農地まで追跡、報告が必要になることで、発展途上国の小規模生産者の生計に影響を与えるのではないかという懸念が各国からあがっているようです。
農家や貿易業者は、農産物が調達されるすべての土地区画の正確な地理的座標を提供する必要があるほか、土地使用権やプランテーション登録証明書も提供する必要があります。
在カンボジア欧州商工会議所(ユーロチャム)によると、地元農家の多くは商品が栽培された農場まで追跡できるようにする新規則のデューデリジェンス要件を満たす技術的能力が欠けているとのことで、東南アジア地域ではデータ収集と監視システムが複雑で時間がかかり、非効率的であると指摘しています。
EUはカンボジアにとって重要な輸出先であるので、この規則にどのように対処していくかのガイドラインや説明がされなければ、少なからず輸出に影響が出てくると思います。
簡易的な申告方法等が確立してくれることを祈りたいですね。
それではまた!!