2024年、カンボジアのEU向け輸出額は前年比20.45%増の40億3000万ドルに達し、EUとの貿易総額も48億8000万ドルに拡大しました。
この成長は、カンボジア経済の国際貿易への統合が進む中、EU市場での需要増加や競争力の向上が背景にあります。
カンボジアの主な輸出市場には、米国、ASEAN諸国、EU、中国、日本、カナダ、英国などが含まれ、特にEUには繊維、履物、自転車、農産物などを多く輸出しています。
これらの輸出品は、EUのEBA(武器以外のすべて)制度の恩恵を受けており、無税・無割当で市場にアクセスできる点が大きな強みです。
ただし、EBA制度の一部停止が続く中、カンボジア製品が依然として選ばれる理由には、高い生産品質と競争力、そしてサプライチェーンの多様化を進めるEU企業の戦略が挙げられます。
カンボジア商務省のチャム・ニムル大臣は、自由貿易協定(FTA)の活用と新市場の開拓の重要性を強調しました。
FTAに基づく市場アクセスの拡大により、カンボジアの貿易競争力を高め、輸出ポートフォリオを多様化する取り組みが進められています。
一方で、専門家たちは、カンボジアのEU市場への依存とそのリスクを指摘しています。
EBAの完全喪失は、高い関税により製品競争力を低下させ、他国へのシフトを招く可能性があります。
一方で、EUの環境志向や持続可能性のトレンドが自転車需要を押し上げ、カンボジア経済に恩恵をもたらしているとも分析されています。
カンボジア政府は、これらのリスクに対応するために、EUの懸念に応える統治や人権、民主主義の強化に取り組む必要があります。
また、貿易パートナーシップを多様化し、国内産業基盤を強化することで、経済の安定と持続的な成長を目指しています。
カンボジアの輸出増加は、インフラ改善や外国直接投資(FDI)の拡大、特に中国をはじめとするアジア諸国からの投資による製造能力の向上も寄与しています。
しかし、EU貿易の利益を完全に代替するのは難しく、多国間協力の重要性が増しています。
これらの施策は、カンボジアの国際市場における地位を一層強化することが期待されています。
EBAの一部撤廃の理由は人権問題や民主主義に対する懸念から実行されました。
上記にもある通り、EBAが完全に撤廃されてしまったらカンボジア経済は大ダメージを受けることになるので、対策を続けて欲しいですね。
また、FTAの拡大と新市場の開拓がカンボジアを魅力的な国にすると思うので、そこにも注力していって欲しいですね!!
それではまた!!
【カンボジア経済】EU向け輸出が2024年に40億ドルに急増
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