カンボジア国立銀行(NBC)のチア・セレイ総裁は、オンライン詐欺やマネーロンダリングへの対策として、金融機関における本人確認(KYC=Know Your Customer)の強化を進めていると説明しました。近年、東南アジアではオンライン詐欺グループによる資金移動が国際的な問題となっており、カンボジア政府も金融システムの信頼性向上に向けた取り組みを加速させています。
■ 発表の概要
セレイ総裁は、カンボジアの銀行やマイクロファイナンス機関に対し、顧客確認手続き(KYC)を厳格に実施するよう求めていると明らかにしました。
金融機関は口座開設時や取引時に顧客の身元確認を行い、不審な取引や異常な資金移動を監視しています。また、疑わしい取引が確認された場合には、関係当局への報告が義務付けられています。
国立銀行は、金融機関や決済事業者との連携を通じて、詐欺資金の流入や流出を防ぐ体制整備を進めているとしています。
■ 背景
近年、東南アジアではオンライン投資詐欺やロマンス詐欺、特殊詐欺などによる被害が拡大しており、国際機関や各国政府が対策を強化しています。
カンボジアでも、オンライン詐欺組織に対する大規模な摘発や取り締まりが進められており、金融機関には資金洗浄防止(AML)やテロ資金供与対策(CFT)の強化が求められています。
また、カンボジアではQR決済やモバイルバンキングの普及が急速に進んでいます。デジタル決済の利便性が高まる一方で、不正利用を防ぐための本人確認体制や取引監視の重要性も増しています。
■ 今後の見通し
国立銀行は今後も金融機関の監督を強化し、国際基準に沿ったマネーロンダリング対策や不正送金対策を推進する方針です。特にQR決済やモバイルバンキングの利用拡大に伴い、電子本人確認(e-KYC)や不正取引監視システムの高度化が進むとみられています。
また、こうしたKYC(本人確認)強化の流れは、外国人による銀行口座開設にも影響を及ぼしています。近年はオンライン詐欺対策の一環として、非居住者による口座開設審査が厳格化される傾向にあり、一部の金融機関では必要書類の追加提出や審査期間の長期化がみられます。特に居住証明や就労証明を求めるケースが増えており、以前と比べて口座開設のハードルは高くなっています。
市場関係者の間では、こうした規制強化は短期的には利便性の低下につながるものの、長期的には金融システムの信頼性向上や国際的な評価改善に寄与するとの見方が出ています。
それではまた!!
※本記事は海外報道を参考に内容を整理し、独自に再構成しています。
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501922426/serey-highlights-kyc-measures-to-combat-scam-transactions/

