3年ごとの見直しに対する国連の予備評価にて、2024年のカンボジアは1人当たり国民総所得(GNI)スコアが1,306ドルの基準を上回る1,546ドルとなり、後発開発途上国(LDC)の地位から2027年に卒業することに向けた肯定的な評価が与えられたとクメールタイムズが報じました。
カンボジアはまた、人的資産指数(HAI)でも77.7(卒業基準66以上)という良好なスコアを達成しており、経済環境指数(EVI)でも23.3のスコア(卒業基準は32以下)で順調に進歩しているとのことです。
LDCカテゴリーからの卒業は複数年にわたるプロセスで、国連の開発政策委員会(CDP)の3年ごとの審査で国が初めて基準を満たしたときに正式に開始されます。
カンボジアは、2021年の前回の評価では、カンボジアの一人当たりGNIは1,377ドル(基準値1,222ドル以上)、HAIは74.3(基準値66以上)、EVIは30.6(基準値32以下)だったので、これで2回連続で卒業基準値達成することになりそうです!!
※2024年の数値は暫定的な評価です。
LDC卒業は前向きな進展である一方で、これから経済成長していく中でカンボジアが直面するのが関税譲歩が無くなるということです。
例えば、EUの一般特恵関税制度の対象国から外れるなどが挙げられますね。
今までは後発開発途上国(LDC)の地位の特権でカンボジアの製品が関税無しで先進国に輸入されていましたが、これが無くなってしまいます。
つまり、先進国にとってカンボジアの製品を輸入する大きなメリットが無くなってしまうことになります。
このことについては、こちらの記事でまとめているのでぜひチェックしてみてください。
LDCを卒業したからと言って、関税譲歩がいきなり全て撤廃されるわけではなく、EUは一般特恵関税制度プラス(GSP+)という枠組みで引き続き関税譲歩を続けていくことに前向きです。
しかし、今よりも条件が厳しくなることは確定的なので、カンボジアの「各産業の品質向上」が今後の課題になりそうです。
それではまた!!