カンボジアの銀行の2023年の融資と預金の比率は、融資残高は576億ドル、預金残高は479億ドルで懸念される数字となっていました。
世界的に、安全性の業界標準として受け入れられているのは、融資と預金の比率(LDR)が80~90%であることからも2023年のカンボジアのLDRは120%なので過剰レバレッジ状態であったことがわかります。
しかし、2024年の軌道修正により、銀行はより慎重な融資を行っており、それが2024年の銀行業績に反映されるだろうと市場関係者は述べているとクメールタイムズが報じていました。
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最近のカンボジアの銀行状況についてまとめてみました。
融資と預金の比率(LDR)の状況
- 2023年の融資残高:576億ドル
- 2023年の預金残高:479億ドル
- LDRの業界標準:80~90%(最大でも100%)
- カンボジアの銀行の平均LDR:120%
- 預金100ドルごとに120ドルを貸し出し
- 融資と預金の差額:97億ドル
2023年の増加率
- 預金増加率:21.3%
- 融資増加率:14%
今後の見通し
- 予想される融資増加率:10%(2024年)
高金利の影響
- 米国連邦準備銀行の金利引き上げ:過去2年間で17回
- 銀行の昨年提示した金利:6~8%(12か月期間)
- 今年の金利引き下げ:5.2~5.8%
昨今の米国の利上げに引っ張られて上がりすぎていたカンボジアの定期預金金利が最近下がってきていますね。
銀行の対応
- LDRの調整:多くの銀行がLDRを100%まで引き下げる予定
- 一部の銀行の対応:
- 資本準備金の取り崩し
- 海外の親銀行からの借り入れ
不良債権の増加
- 2023年の不良債権率:5.4%
- 不良債権の原因:借り手のローン返済能力の低下、銀行の高金利設定
2024年の軌道修正
- 慎重な融資の実施
- 市場の飽和と競争激化
- 金融機関の過剰状態
- 大手銀行と中小銀行の融資慣行の違い
流動性の状況
- 大手銀行:銀行間融資の増加、流動性の低下
- 中小銀行:流動性は高いが融資拡大の需要が低い
経済発展に金融は欠かせませんので、業界全体が健全な方向に向かって欲しいですね。
それではまた!!