カンボジアのフン・マネット首相は、プノンペンで開催された世界中国経済技術(GCET)サミット2024にて、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定によりカンボジアは23億人の市場への参入が可能になったと述べ、「これは、カンボジアの1,700万人の消費者を抱える国内市場だけでなく、数十億規模の市場へのアクセスを意味する。」と参加者に語りました。
また首相は、「我々は投資家に投資の場を提供しているだけではない。この地域の未来への切符を提供しているのだ」と付け加えました。
RCEP(アールセップ)とは、Regional Comprehensive Economic Partnershipの略で、「地域的な包括的経済連携」を意味する自由貿易協定(FTA)です。
加盟国は、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国の計15カ国で、2022年1月1日に発効しました。
世界のGDPや貿易総額、人口の約3割を占める地域をカバーしており、世界最大規模のメガ自由貿易協定(FTA)と呼ばれています。
RCEP協定の目的は、地域における貿易・投資の促進、サプライチェーンの効率化、自由で公正な経済秩序の構築などです。具体的には、次のような内容が定められています。
- 農林水産品や工業製品などへの関税の減免
- 輸出入の手続きの簡素化
- サービスや投資のルール整備
また、RCEP協定では、関税率の低い国を意図的に経由して輸入する「迂回輸入」を防ぐため、「税率差ルール」と呼ばれるルールが適用されています。
RCEPはカンボジアへの投資促進に加え、カンボジア製品の輸出に大きく貢献しています。
また、カンボジアはRCEPや他国との2国間貿易協定などの国際貿易への接続性と地理的優位性を活かしASEAN貿易のハブになるべく港、運河、鉄道、道路、空港などのインフラ整備を急ピッチで進めています。
カンボジアの経済成長は「貿易」がキーポイントになると僕は思っています。
ASEAN貿易においてカンボジアを抑えておくことが重要になる未来が近づいているかもしれません。
RCEPを筆頭にカンボジアから世界への貿易ルートが広がっていくことに期待して、今後も情報を追っていきます。
それではまた!!
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501598674/rcep-gives-cambodia-entry-to-a-market-of-2-3-bln-people/