カンボジア国立銀行(NBC)が発表した年次報告書によると、カンボジアの銀行・金融機関は、主に建設・不動産部門の回復が鈍いため、2024年に融資の伸びが鈍化したとのことです。
項目 | 2024年上半期 | 2024年通期 |
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融資残高 | 前年同期比2.6%増の589億ドル | 前年比3%増の599億ドル |
顧客預金 | 前年同期比13.4%増の519億ドル | 前年比16.3%増の570億ドル |
銀行不良債権率 | 6.8%(2023年上半期4%) | 7.9% |
マイクロファイナンス不良債権率 | 8.3%(2023年上半期3.3%) | 9% |
銀行・金融システムの流動資産 | 前年同期比6.1%増加の883億ドル | 前年比7%増の911ドル |
NBC総裁のチア・セレイ氏は、建設・不動産、観光、卸売・小売などの分野の回復が遅いため、王国の銀行や金融機関の融資の昨年の伸びは鈍化し、預金に関しては、銀行と金融機関は昨年16.3%の急成長を記録し、「銀行システムは国民からの強い信頼を得て強固である」ことを反映していると述べています。
また、報告書によると、カンボジアには商業銀行が59行、専門銀行が9行、マイクロファイナンス機関が85行、農村信用機関が114行あり、預金口座は2,330万件、信用口座は400万件あります。
さらに、昨年時点で約3,000万の電子ウォレットアカウントが登録されているとのことです。
不良債権比率が大幅に増加してきているので、今年も融資の伸びは鈍化していきそうですね。
カンボジア信用保証公社の利用拡大や、抵当権の行使についての制度や法律が整備されてくると不良債権比率は少しずつ改善されていくのかなと思います。
今後もこの分野には注目していきます。
それではまた!!
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501642555/cambodias-banking-financial-institutions-experience-slow-credit-growth-in-2024-central-bank/