2025年5月にカンボジアとタイの国境付近(カンボジア北部プレアビヒア州の国境地帯)で小規模な衝突があり、現在、両国は緊張状態が続いています。
その経緯と現在の状況を簡単にまとめてみました。
カンボジアに関わりのある方々は一度目を通しておくのをお勧めします。
カンボジアとタイの国境紛争の背景
カンボジアとタイの国境紛争は、歴史的な領有権争いに起因しています。
特に問題となっているのは、カンボジア北部のプレアビヒア寺院(Preah Vihear Temple)周辺地域です。
この寺院は11世紀に建てられたクメール遺跡で、1962年に国際司法裁判所(ICJ)が「寺院そのものはカンボジア領」と判断しましたが、周辺地域の帰属については曖昧なままでした。
この不確定な境界線が、両国間の緊張を長年にわたって引き起こしてきました。
特に2008年にプレアビヒア寺院がユネスコの世界遺産に登録された際には、両国のナショナリズムが高まり、武力衝突に発展しました。
その後も散発的な衝突が繰り返されており、両国の軍が国境地帯に駐留を続けています。
2025年現在の状況
2025年5月末、カンボジア北部プレアビヒア州の国境地帯で再び緊張が高まりました。
カンボジア国防省の発表によると、タイ軍との小規模な衝突が発生し、カンボジア兵1名が死亡したとされています。
両国とも事件の責任を相手側に押し付ける声明を発表しており、緊張が再燃しています。
現在、両国は外交ルートを通じて事態の沈静化を図っているものの、現地では依然として兵力が強化されており、一触即発の状況が続いています。
また、地元住民の一部は避難を余儀なくされており、経済や観光への影響も懸念されています。
まとめ
この国境紛争は、単なる領土問題ではなく、歴史、民族意識、政治的思惑が複雑に絡み合った問題です。
今後もICJやASEANといった国際機関の仲介による平和的な解決が求められていますが、現場レベルでは慎重な対応と継続的な対話が不可欠です。
カンボジアではこのニュースが毎日取り上げられています。
特に大きなニュースになっていたのは、タイ側がカンボジアへの電力とインターネットの供給を停止するという噂から、カンボジア国内では一度大きな動揺がありましたが、政府は「これらのサービス全てを自国で提供できる能力を持っている」として国境沿いの州におけるタイからの電力とインターネットサービスの購入を停止することを決定しました。
プノンペンでは、一時的にデータ通信が遅くなる時がありましたが、現在では問題なく使えています。
また、国境沿いの州においても問題は無いと政府は述べています。
これからの両国の動向には目が離せません。
これからも情報を追っていきます。
それではまた!!