カンボジア政府が、これまでの労働集約型産業を中心とした経済から、より付加価値の高い産業へ投資を呼び込む方向に政策の重点を移しています。上院の第三委員会とカンボジア開発評議会(CDC)は8月19日、2026年の投資戦略や事業環境の改善、産業の多角化について協議しました。今後は電子機器や自動車関連など、新たな製造業の育成が重要なテーマとなります。
■ 発表の概要
今回の会合では、上院第三委員会とCDCが、2026年のCDC戦略ロードマップや投資促進における課題について意見を交わしました。
会合を主宰したモン・レッティ上院第三委員会委員長と、スン・チャントール副首相は、国内外の投資家からの信頼を高め、より高い付加価値を生み出す産業への投資を促進することの重要性を確認しました。
CDCは投資誘致だけでなく、投資家へのアフターケアや行政手続きのデジタル化にも取り組んでいます。投資案件をオンラインで登録できる「cdcIPM」の導入も、投資環境改善の一環として進められています。
■ 背景
カンボジアでは長年、衣料品・履物・旅行用品(GFT)産業が輸出と雇用を支えてきました。一方、近年は電子機器、自動車・自動車部品、電気機器などへの投資が増加しており、産業構造の多様化が進んでいます。
2026年1~7月には電子・電気機器の輸出が前年同期比34%増加するなど、新しい製造業が輸出を押し上げる動きも見られます。
政府が高付加価値産業を重視する背景には、単純な組立・加工から、より高度な製造や技術、国内サプライチェーンを持つ産業へ移行することで、国内に残る付加価値を高めたい狙いがあります。
■ 今後の見通し
カンボジア政府は、若い労働力、地理的な立地、投資法、道路・港湾・水路などのインフラ整備を投資誘致の強みとして挙げています。
今後は、電子機器や自動車関連製品に加え、農産物加工、物流、デジタル産業などへの投資をどこまで拡大できるかが焦点となります。
特に重要なのは、工場を誘致するだけでなく、部品メーカーや物流、技術サービスなどの関連企業を国内に集積させられるかです。高付加価値産業への転換が進めば、輸出額の増加だけでなく、賃金水準や雇用の質、国内企業の成長にも影響する可能性があります。
カンボジアが「低コストの生産拠点」から「ASEANの高付加価値製造拠点」へ移行できるか、今後の投資政策が注目されます。
それではまた!!
※本記事は海外報道および公開資料を参考に内容を整理し、独自に再構成しています。
参考記事:Khmer Times「Senate, CDC target higher-value industries」



