新型コロナウイルスの影響によりカンボジア不動産業界(特にプノンペン中心地の高層ビル・マンション)はかなりの打撃を受けいています。
そんなカンボジア不動産業界の現在について興味深いインタビュー記事がクメールタイムズに掲載されていたので紹介していこうと思います。
※クメールタイムズのスカーレットグリーン氏がrealestate.com.khの執行役員兼ディレクターであるトーマスオサリバン氏にインタビューした記事の要約となります。
・インタビュー
質問
コンドミニアムやアパート等の住宅タイプの賃料はどのくらいパンデミックの影響を受けていますか?
回答
新型コロナウイルスにより一部の地域では賃貸価格が最大30%低下しています。
観光業が停止したことによってホテル事業者が宿泊スペースの長期レンタルを低価格で提供し始めたことも価格競争を激化させている1つの要因となっています。
質問
投資家が所有している多くのユニットは空室のようですが、投資家はリースに出したりしないのですか?
回答
購入して引き渡されたユニットの多くは、保証付きのレンタルリターンスキームで購入されているため、一部の所有者はユニットがレンタルされているかどうかを気にしていません。開発者または不動産管理会社が今頭を悩ませているでしょう。
質問
今年新しく市場にでる予定もしくは既に市場にでたユニット数はどのくらいですか?また、来年はさらにいくつ市場に出ますか?
回答
現在建設中の120のコンドミニアムを追跡していますが、今後3年間で少なくとも91,000以上のユニットが市場に出る予定であり、そのうち約23,975ユニットが今年引き渡される予定です。
また、2021年には最大40,087ユニットが引き渡されると予測しています。
質問
これらのアパートやコンドミニアムは地元の人の居住用として求められていますか?それとも投資用ですか?
回答
以前は外国人投資家によって投資用、駐在員の持ち家としての需要が高かったのですが、新型コロナウイルスの流行によって開発者はローカル市場に重点を置くようになり、若い世代のカンボジア人だけでなく、中流階級から裕福なカンボジア人も、これまで以上にマンション市場に参入しています。
この市場に対応できた開発者は成功を納めています。
質問
土地の売買に関してはどうですか?
回答
今回のパンデミックの影響を少し受けたものの、この市場は非常に堅調に推移しています。
質問
都心部のボレーはどうですか?
回答
現在少なくとも108のプロジェクトがあります。
コンドミニアムよりは賃貸需要は少ないですが、ボレーのようなゲーティッドコミュニティーにも少なからず需要はあるので多くのテナントを引きつけています。
投資目的でボレーを購入する人はインカムゲインには期待せず、キャピタルゲインに期待している傾向が強いと言われていますが、そもそもボレーを購入する人々の大半は居住用で購入しています。
質問
新しい空港の近くはどうですか?
回答
この地域の地価は確かに上昇しており、この地域の不動産の価値は全体的に上昇しています。タクマウ市の新空港付近のエリアは工事が進み、インフラが改善され、一般的な活動が増えるにつれてさらに価格上昇すると思います。
参考:KHMER TIMES「Real estate industry faces headwinds amid pandemic」
・まとめ
外国人投資家に向けた都心部のコンドミニアムは厳しい状況だけど、内需に向けた不動産は特に大きな影響は無いという感じですね。
新空港周りの不動産に関しては国が不動産開発業者に対して開発を呼びかけているくらいなので価格上昇を期待できますね!!
実質的に外国人はカンボジアの土地の所有権は取得できませんが、土地に投資する方法(ノミニー契約、法人で所有、信託受益権の所有)はあるので、価格上昇が堅調に推移している土地に投資するのが今は1番いいかもしれません!!
それではまた!!