東南アジアで不動産投資する場合、コンドミニアム(マンション)の区分所有物件を購入することが一般的とされています。
主な理由としては、東南アジアではほとんどの国で外国人の土地所有は認められておらず、外国人にはマンション等の区分所有のみ認められている状態だからです。
以下参考までに、東南アジア各国の不動産の所有権事情となります。
土地付住宅購入(所有権) | コンド購入(所有権) | 住宅ローン | 売買契約書(英語) | |
カンボジア | ✕ | ○ | ○ | ○ |
マレーシア | ○(一部の州は不可) | ○ | ○ | ○ |
シンガポール | ✕(一部を除く) | ○ | ○ | ○ |
フィリピン | ✕ | ○ | ○ | ○ |
タイ | ✕ | ○ | △ | ✕ |
インドネシア | ✕ | △ | ✕ | ✕ |
ベトナム | ✕ | ✕ | △ | ✕ |
参考元:FORELAND マレーシア不動産情報サイト
※ベトナムに関しましては、社会主義国家なので購入時は長期賃借権(使用権)の売買になるようですね。その他の国に関しましても詳しい情報を知っている方はご連絡ください!!
しかし、現在のカンボジアの不動産開発のトレンドは、パンデミックの影響で外国人投資家に向けた高級コンドミニアムから現地の方々に向けた実需要物件の開発に移行しています。
最近はプノンペン郊外に現地の方々向けのコンドミニアムの開発もちらほら見られますが、特に人気なのはプノンペン郊外の農地を大規模に開発した住宅です。
え〜それなら土地を所有できない外国人は投資のチャンスを失うってこと?
そんなことはありません。
実は、土地の所有権は持てませんが投資する方法はあるのです。
これは裏技でもグレーラインの投資でもありません。
正規ルートでの土地投資です!!
それは、信託サービスを利用した不動産投資です。
このサービスを利用することで、土地付き建物に投資をしてもよし、大規模な開発用地に投資してもよしです!!
余談が長くなったので、さっそく信託サービスの内容を解説していきます!!
今回はカンボジア大手商業銀行であるカナディア銀行の100%子会社であるカナトラスト(CANA TRUST)の財産信託サービス内容を解説していきます!!
・カナトラストの財産信託サービスについて
カンボジアで財産信託サービスといえば、カナトラスト(CANA TRUST)が有名です!!
三菱UFJ銀行やみずほ銀行と提携し、カンボジア国内大手銀行として知られるカナディア銀行(CANADIA BANK)の完全子会社であることがポイントです。
財産信託サービスと言われてもパッと来ないと思うので簡単に説明すると、
自分に代わり信頼できる人(会社)に土地などの財産を託し、保有・管理してもらうサービスのことです!!
信託費用をカナトラストに支払い信託契約を締結することで、土地を所有できない外国人の代わりに土地を所有・管理してもらい、その土地から発生する利益や将来売却時の利益はいただきますよというものです。
※土地の所有権ではなく信託受益権を保有することになります。
カナトラスト以外にもこのサービスを提供している企業はありますが、安心を買うという意味では現時点ではカナトラストが良いのかなという気がします!!
・財産信託サービス
・不動産調査サービス(デューデリジェンスサービス)
・エスクローサービス
・信託費用について
信託費用と土地調査費用の一覧を見ていきます。
信託契約は5年間の契約でして、5年が経過すると自動的に更新され再度信託費用を払う必要があります。
これを踏まえて、5年以内に売却益が見込める土地を探すのがカンボジア土地投資の第1歩になりそうですね!!
また、土地調査に関してはクライアントの利益を保護し、所有権に問題のある土地の購入を阻止するために信託契約前に必ず行われます。
信託費用(価格に対して10%の消費税) | |
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土地価格 | 信託費用(5年間) |
〜$250,000 | $3500 |
$250,001〜$500,000 | $5000 |
$500,001〜$1,000,000 | $7500 |
$1,000,001〜 | 土地価格の0.8% |
※信託契約は5年契約で自動更新となります。5年で解約しない場合は再度信託費用を支払う必要があります。
※2021年12月時点
土地調査費用(価格に対して10%の消費税) | |
---|---|
タイトル数 | 土地調査費用 |
Phnom Penh 1~5タイトル | $250 |
Phnom Penh以外 1~5タイトル | $350 |
Phnom Penh以外 6~15タイトル | $500 |
Phnom Penh以外 16タイトル以上 | $1,000 |
※2021年12月時点
・信託契約の流れ
- 1物件情報をカナトラストへ送る
信託予定地のハードタイトルPDF(登記簿謄本)と位置情報を送る。
- 2土地調査費用の支払い
カナトラストに訪問し本人確認(パスポート等)を済ませて、指定の口座へ費用を送金する。
- 3カナトラストが土地調査報告書作成
調査チームが対象地を調査する。(4日〜7日程度)
- 4不動産売買契約書のドラフトを提出
事前にカナトラスト側で売買契約書のチェックが必要。
- 5不動産売買契約締結
売主と買主との間で売買契約締結。※登記はカナトラスト名義
- 6弁護士から売買契約書認証印を取得
弁護士同席で不動産売買契約を行い弁護士からの認証印をもらう。($200程度)
- 7信託契約締結
契約時に信託費用の50%を支払う。
- 8タイトル移転登記(所有権移転登記)
売主からカナトラストへタイトル移転登記を行う。
- 9残りの信託費用を支払う
タイトル移転登記の完了を確認した後、残りの信託費用50%を支払う。
- 10規制当局への信託登録
信託を有効にするには、設立日から3か月以内に信託規制当局(TR)に登録する必要があります。
・最後に
冒頭で「カンボジアの不動産開発のトレンドは、パンデミックの影響で外国人投資家に向けた高級コンドミニアムから現地の方々に向けた実需要物件の開発に移行しています。」と述べましたが、これはコンドミニアム投資に未来がないということを意味しているわけではありません!!
トレンドはもちろん移り変わっていきます。
現在カンボジアはパンデミックによる入国規制をほぼ完全に撤廃しました。
これにより、外国人観光客が増加し2022年には全盛期の約3分の1程度まで回復する予定です!!
また、今後は外国企業の駐在員さんたちが戻ってきて、さらにはカンボジアの経済成長予測や外資規制が無いことからみても、外資系企業の進出もかなり期待できると思っています。
こうなると、コンドミニアムの賃貸需要、また投資需要は復活してくると推測します。
上記も含め、外国人でも所有権を登記できることを考えるとコンドミニアム投資を除外する選択は無しだと考えます!!
しかし、物件数が増えるにつれて相場が出来上がり、競合が増えているのは事実です。
ディベロッパー情報や、契約条件、立地、価格帯、仕様etc…日本の不動産投資同様にしっかりと調査することは欠かせないですね!!
とにかくカンボジア不動産投資の1番のメリットは米ドル経済圏の不動産に比較的低資本で投資できることです!!
また、発展途上国の急激な経済成長の恩恵を受ける可能性があることもメリットですね!!
もちろんカントリーリスクはありますが、そこはぜひ「カンボジ屋さん」で情報を得ながら投資判断をしていただければと思います!!
それではまた!!