カンボジアのフン・マネット首相はプノンペンのリムコックウィン大学の540人の学生の卒業式にて、カンボジアは後発開発途上国(LDC)のステータスによる特権に頼ることなく、自立を目指していると述べました。
実際にカンボジアは2027年に後発開発途上国(LDC)のステータスを卒業すると予測されていて、卒業後には一部の特権(関税譲歩など)が段階的に廃止されるためGDPの減少などの懸念が生じています。
卒業式で首相は、「我々は彼らの寛容さを通してではなく、自立して生きていくことを目指している。彼らの好意に頼ることは我々に負債をもたらし、自立的な発展を妨げる」と強調し、「2050年までに、私たちは他国と対等に競争できる豊かな国になることを目指しています」と述べました。
国連開発計画(UNDP)の最近の調査によると、LDCの卒業によりカンボジアの名目GDPは2027年から2030年の4年間で29億4000万ドル減少する見通しです。
また、「アジア経済見通し(ADO)2024年4月版」では、LDC移行を効果的に乗り切るために、カンボジアは世界経済との統合を強化し、市場を多様化し、付加価値の高い製品に重点を置き、持続可能なインフラと人的資本に投資し、国内資源の動員を強化する必要があると強調されています。
参考:https://www.khmertimeskh.com/501503058/cambodia-must-diversify-attract-fdi-to-realize-economic-goals/
農業中心から工業中心へ産業構造の転換は順調に進んできているので、各部門内の多様化と製品の質(付加価値)を高めていくことがカンボジアの経済発展の鍵になるかと思います。
カンボジアはこの数年で大きなターニングポイントを迎えることになりそうです
LDC卒業のハードルを乗り越え、さらにインフラ開発のための外国直接投資(FDI)を多く誘致できた先にカンボジアの真の発展が待ち構えていると思います。
課題は多いかもしれませんが、カンボジアには地理的優位性や若い労働力、労働コストの低さ、購買意欲の高い若年層が人口の約6割を占め消費市場としても有望、豊富な観光資源、外資規制がほぼ無いため外資が参入しやすい、優遇措置が豊富などなど多くの強みもあるので、この数年のカンボジアには注目していくべきだと思います。
それではまた!!