法務省の指導のもとに間もなく開始される商事裁判所は、カンボジアの外国企業にとって心強いものとなりそうです!!
法律業界の専門家らによると、カンボジア初の商事裁判所は、カンボジアにおける貿易・投資関連の紛争解決の過程で、民間部門の外国投資家にさまざまな利益をもたらすことが期待されています。
これまで一部の投資家は現地制度の不確実性を理由に、カンボジアを拠点とする協定にオフショア仲裁条項を導入することを選択していたといいます。
仲裁条項とは契約に関して紛争が発生した場合、その解決を当事者が選んだ第三者(仲裁機関)の判断に委ねることを合意する条項です。
しかし、仲裁条項を入れるためにオフショア(海外の)仲裁機関に多額の費用を支払う必要があるため、実行できる投資家は少ないのが現実でした。
このような問題を解決し、カンボジア全土の企業に代替の仲裁救済手段を提供し、カンボジアでのビジネスの透明性や事件処理の質を向上させるべく商事裁判所が開設されるとのことです。
法務省は11月に裁判所を運営するための法案を完成させました。
法務省のチン・マリン報道官は、今までビジネス紛争は刑事裁判所で解決されていたとして、「商事裁判所が設立されれば、すべてのビジネス紛争は刑事裁判所とは別に商事裁判所によって解決されることになる」と述べています。
法務省によると、専門裁判所の設置により、事件処理の質が向上することで投資家の信頼が高まり、手続きの迅速化による裁判の混雑緩和に貢献するとのことです。
商事裁判所がしっかりと機能すれば、今までの懸念事項であった「透明性 予測可能性 紛争解決にかかる時間」こちらが改善されていきそうです。
また、透明性を高め信頼を獲得していくために次のような取り組みが行われる可能性があるようです。
- 判例の公開
商事裁判所が判決を公表することが期待されている。訴訟が公開されアクセス可能になれば、カンボジアの法制度の予測可能性が高まり外国投資家の信頼の獲得にもつながる。 - 言語の柔軟性
新しい裁判所では英語または他の外国語が許可される可能性があり、これが外国投資家に明確性を提供し、過去の判例法判決の理解を助けることが期待されている。
カンボジアの裁判所の機能に関しては多くの人々が依然として懐疑的であると思いますが、カンボジアが経済成長していくためにも透明性は必要不可欠であり、カンボジア政府もこの点を課題として改善し始めているという印象です。
商事裁判所がオープンしてしっかりと機能していくまでにはもう少し時間がかかるかと思いますが、今後に期待しましょう!!
それではまた!!