カンボジア国立銀行(NBC)の年次報告書によると、2025年のカンボジア経済は6.2%成長し、インフレ率は2.6%と安定すると予測されています。
これは世界銀行(5.5%)やアジア開発銀行(6.0%)の予測を上回る見通しです。
経済成長の主な要因は、衣料品輸出や非衣料品産業の拡大、観光業や農業の成長です。
一方、建設業や不動産業は依然として回復が遅れています。
NBCは、米国の保護主義政策、世界経済の減速、中国経済の鈍化、気候変動などの外的リスクがカンボジア経済に影響を与える可能性があると指摘し、また、後発開発途上国(LDC)からの卒業により、一部の輸出特権や外国からの資金調達が難しくなる可能性も指摘しています。
NBCのチア・セレイ総裁は、成長を支える要素として輸出、観光、外国直接投資の増加を挙げる一方で、国内需要や国際原油価格の上昇によるインフレのリスクを指摘し、為替レートの安定が経済への信頼につながると述べました。
しかし、地政学的緊張や金利政策の変化が、カンボジアの輸出や投資に影響を与える可能性があると警戒しています。
経済学者のダック・ダリン氏は、さらなる成長にはインフラ整備や物流コスト削減、外国直接投資の促進が必要だと指摘。自由貿易協定の拡大や、ビジネス環境の改善も求められます。
また、人的資本の向上、持続可能な農業や環境に優しい観光の推進が重要だと述べています。
カンボジア政府の予算報告書では、2025年の成長率を6.3%と予測。GDPは約513億9000万ドルに達し、一人当たりGDPは2,924ドルになる見込みです。
銀行・金融部門の不良債権の増加も気になるところではありますが、制度や法律が整えば解決すると思います。
課題は多くあるものの、近隣諸国同様に後発開発途上国(LDC)からの卒業後も持続的に経済成長できる基盤を作っていって欲しいです。
それではまた!!
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501641514/nbc-raises-cambodias-fy25-growth-forecast-to-6-2-percent/
【カンボジア経済】国立銀行による2025年の成長予測と今後の戦略

記事内に広告が含まれています。