カンボジアとRCEP(地域的な包括的経済連携)加盟国との貿易が拡大しています。2026年1~7月のRCEP域内貿易は282.7億ドルに達し、前年同期から大きく増加しました。RCEPはカンボジアの国際貿易全体の中でも大きな割合を占めており、輸出市場の拡大だけでなく、製造業に必要な原材料や部品の輸入を支える役割も強まっています。
■ 発表の概要
カンボジア商務省の統計によると、2026年1~7月のRCEP加盟国との貿易額は282.7億ドルとなりました。
RCEPにはASEAN10カ国に加え、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの計15カ国が参加しています。
RCEP加盟国の中では、中国、ベトナム、シンガポール、日本、タイが主要な貿易相手国となっています。
■ 背景
RCEPは2022年1月に発効しました。世界の人口とGDPの約3割をカバーする巨大な自由貿易圏で、域内の関税削減や貿易手続きの円滑化を通じて、加盟国間の取引拡大を促しています。
カンボジアにとって特に重要なのは、輸出市場の拡大と製造業のサプライチェーン強化を同時に進められる点です。
2026年上半期、カンボジアのRCEP加盟国向け輸出は64.1億ドルで、前年同期比約11%増加。一方、RCEP加盟国からの輸入は218.5億ドルと約27%増加しました。
輸入の増加は一見すると貿易赤字を拡大させる要因ですが、衣料品、電子機器、自動車関連などの輸出産業で使用する原材料や部品、機械などの輸入が増えている側面もあります。
■ 今後の見通し
カンボジアのRCEP貿易は、今後も同国の製造業と輸出拡大を支える重要な要素となりそうです。
2025年のRCEP加盟国との貿易額は402億ドルに達し、カンボジアの総貿易額652.4億ドルの約61.7%を占めました。
特に電子機器や機械、自動車関連製品などの輸出が拡大すれば、RCEP域内で部品を調達し、カンボジアで組立・加工した製品を域内外へ輸出するサプライチェーンがさらに発展する可能性があります。
一方、カンボジアでは2029年の後発開発途上国(LDC)卒業を控えており、これまで享受してきた特恵関税の一部が縮小する可能性があります。世界銀行も、LDC卒業を見据えてRCEPの活用を加速させる必要性を指摘しています。
今後は、RCEPを単なる輸出市場として利用するだけでなく、日本や中国などからの投資を呼び込み、カンボジア国内の生産・加工能力を高めることが、貿易拡大を持続させるうえで重要になりそうです。
それではまた!!
※本記事は海外報道および公的機関の公開資料を参考に内容を整理し、独自に再構成しています。
参考記事:Khmer Times「Cambodia’s RCEP trade jumps to $28.27B」



