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【カンボジア経済】住宅市場のゆがみ、中間層には手の届かないマイホーム

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クメールタイムズ紙に「住宅所有の夢から取り残されたカンボジアの中流階級」というタイトルの記事があり、興味深かったので内容をまとめてみました。
https://www.khmertimeskh.com/501778355/cambodias-middle-class-left-out-of-the-dream-of-homeownership/

内容まとめ

カンボジアの現状と問題点

  • 過去20年間の急速な経済成長で都市景観が一新された。
  • しかし、中間層が「住宅を持てない」深刻な課題に直面している。
  • 高級コンドミニアムが乱立し、安定収入のある層(教師・医療従事者・公務員など)でも購入が困難。

政策と市場のずれ

  • 国家住宅政策では「3万ドル未満」を手頃な価格と定義しているが、物価上昇で実情に合わない。
  • 中間層(月収900〜1,200ドル)は全世帯の約半数を占めるが、市場から取り残されている。
  • 多くの世帯は月300〜400ドルの家賃を払い、ローン制度が整えば持ち家が可能な層でもある。

住宅需要と供給のギャップ

  • JICAの推計:プノンペンでは2019〜2035年の間に約32万戸の新築が必要。
     - そのうち中間層向け住宅は年間約8,000戸必要。
  • 現状では中間層向け住宅が不足し、多くの家族が遠隔地・不便な環境で生活。

社会的リスク

  • 専門家は「住宅問題は社会不安につながる」と警告。
  • 富裕層と賃貸層の格差拡大が、社会の信頼と安定を脅かす恐れがある。

解決への方向性

  • カンボジアも、交通の便が良く質の高い住宅を供給するため、政府・金融機関・開発業者が協力して取り組む必要がある。
  • 手頃な住宅は地域社会の安定・教育・経済活動を支える基盤となる。
  • ベトナムやフィリピンでは、融資支援・税制優遇・混合所得層開発などで成功例あり。



住宅ローンの金利が下がったり、借入期間が長くなると中間層の手の届く物件もプノンペン内に出てくるのだと思いますが、なかなか難しい状況でしょうか。
私が2018年にカンボジアに来た頃は、プノンペン郊外ではありますが旧空港よりも先のポーセンチェイやカンボールエリアに3万ドル〜5万ドルくらいで住宅開発している現場が多かったと思います。
このエリアだと、プノンペン中心地までバイクで1時間圏内なので割と便利なのでは?と思いますが、今ではこの価格帯では買えないのかもしれません。


コンドミニアムと呼ばれる分譲マンションについては、そもそも殆どがプノンペンの中心にあるのでカンボジアの中間層にとっては高額になりますね。
中心地から少し外れたエリアの現地ディベロッパーが建設したコンドミニアムだと、30m2〜40m2のワンルームタイプが3万ドル〜5万ドル程度で購入できて、10年〜15年のディベロッパーローンを利用して3人〜4人のファミリー層が買っていたりするようです。
ファミリーにとっては狭いのでは?と思ったりもします。


公共交通機関が整備され移動の利便性が向上したり、建築コストを抑えるための革新的な何かがあれば状況は変わるかもしれませんが、実現するのは難しいでしょう。
やはり、短期的には政府と金融機関、開発業者が協力して、中間層の人々が支払い可能な範囲で購入できる住宅を作っていくことに期待するしかなさそうです。


日本では最近50年の住宅ローンというのがあるみたいです。
物件価格の上昇に併せて金融機関が新たな商品をどんどん提供していますね。
カンボジアでも期間35年くらいの住宅ローンがあればいいのですが、日本のように保証会社や個人信用情報などが整っていないカンボジアではなかなか難しいのでしょうか。


それではまた!!

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