【カンボジア経済】カンボジアの未来を支える巨額インフラ計画であるフナン・テチョ運河(FTC)プロジェクトについて

フナン・テチョ運河（FTC）の建設は、カンボジア王国政府（RGC）が推進するインフラ近代化と経済発展の象徴的なプロジェクトです。
この17億ドル規模の計画は、2024年8月に開始され、完成までに約4年を予定しています。
運河は全長180km、幅は上流側で100m、下流側で80m、深さ5.4mで設計されており、3つのダムと11の橋を含む総延長208kmの側道が整備される予定です。


FTCプロジェクトの目的は、メコン川への海水侵入を防ぎつつ、カンボジアの物流ネットワークを強化し、地域全体の経済成長を促進することです。
運河は、タケオ運河やメコン川と接続し、カンボジア国内の160万人以上に直接的な影響を与えます。これにより、船舶取引の拡大や新たな雇用機会の創出が見込まれています。
このプロジェクトは、農業灌漑の改善や排水システムの強化を通じて地域全体の発展を後押しするだけでなく、カンボジアの輸送と貿易における新たなルートを提供する歴史的な取り組みとして評価されています。


プロジェクトの進捗状況について、公共事業運輸省（MPWT）は2024年12月時点で第1フェーズの境界確定作業が76％完了したと報告しています。
影響を受ける地域住民と調整を進めながら、21kmの区間で土地の影響評価が行われています。


さらに、カンボジア政府は国際金融公社（IFC）や世界銀行と連携し、物流や再生可能エネルギー分野への投資を拡大する意向を示しています。
このプロジェクトは、コスト削減や貿易効率の向上をもたらし、特にシハヌークビル自治港やプノンペン自治港などの主要港湾に利益をもたらすと期待されています。


ケップ州は運河の終点として、特に注目を集めています。
副知事は、運河完成後にケップが観光と経済活動の拠点となることを確信しており、州内の開発パートナーと協力しながら環境に配慮した持続可能なインフラの整備を進めています。
新たな投資と観光の機会により、ケップ州はカンボジアの成長を支える重要な地域としての地位を築くでしょう。


今まではカンボジアからメコン川を通じて国際貿易を行う場合には、ベトナム通って海に接続する必要がありましたが、この運河が完成することでベトナムを経由せずに自国の海に接続できるようになるので、輸送コストが大幅に削減されると言われています。
このことで、ベトナムとは若干ギクシャクしていますが、2024年8月の着工日を急遽祝日にするなど、カンボジアにとって大変大きなプロジェクトだということがわかりますね！！
FTCの完成は、カンボジアの未来に大きな影響を与える画期的な出来事となるはずですので、完成から稼働までしっかりと情報を追っていきます。


それではまた！！


参考記事：https://www.khmertimeskh.com/501616363/ftc-project-on-steady-track-to-propel-national-economy/