2025年5月末、タイ軍がカンボジア兵を殺害した事件をきっかけに、両国の国境紛争が激化し、7月には数日間にわたって激しい武力衝突が起こり、タイ側はF-16戦闘機やクラスター弾まで投入しました。
この事態を受け、カンボジア国民の間でタイ製品のボイコットが一気に広がり、ガソリン、カフェチェーン、日用品など幅広い分野に影響が出ています。
政府もタイからの石油や電気、インターネットの輸入を禁止するなど強い姿勢を示しています。
経済学者ロー・ヴィチェット氏は、人気だったPTT燃料やアマゾンカフェの売上が大きく落ちていると指摘する一方、日用品や食品にどの程度影響が出ているかはまだ不明だと述べています。
実際にどの分野がどれほど打撃を受けたのかを判断するには、輸入統計を詳細に分析する必要があるとのことです。
統計によれば、2025年7月の二国間貿易額は前年同月比で13%減少し、とくにタイからの輸入は40%以上も落ち込んでいます。
一方で、タイ側の大手企業は意外にも楽観的のようです。
PTTやカラバオ・グループの幹部は「緊張が和らげば元に戻る」「カンボジアの人々はタイ製品を支持している」と発言しています。
SNSの普及で情報が急速に拡大している今、紛争による不信感は短期間で消えるものではなく、特に犠牲者が出た今回のようなケースでは、国民感情が大きく揺れ動いているので回復には時間がかかるような気がします。
実際に私の周りの知人でも不買運動は確実に起きています。
今後の焦点は、ボイコットが一時的な感情の高まりで終わるのか、それとも消費行動の変化として根付くのかです。
数字上は確かに大きな減少が見られますが、長期的に続くかは不透明です。
個人的には短期間で回復するというのは難しいと感じています。
ただし、国民が政治や軍事行動に対して経済的な手段で意思表示をするという動きは、カンボジア社会にとって大きな変化だと思います。
タイとの経済関係が悪化することはカンボジア経済にとってポジティブではないと思うので、早期解決を期待したいところですが…
それではまた!!
参考記事:https://www.phnompenhpost.com/business/boycott-of-thai-products-driving-steep-decline-in-bilateral-trade
【カンボジア経済】カンボジアで広がるタイ製品ボイコットの行方

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