経済特区(SEZ)はカンボジア経済の発展に重要な役割を果たしています。
SEZは中国が70年代後半に経済特区制度を導入したことを起源とし、中南米からサハラ以南のアフリカまで急速に広がり始めて、カンボジアでは2005年に法的枠組みが確立されました。
SEZは輸出中心の製造拠点として、国内の産業基盤の多様化や都市部と農村部の経済的つながりの確立を促進しています。
現在、カンボジアには24のSEZが運営されており、655の投資プロジェクトがあり、174,000人以上が雇用されています。
これらのSEZでは2011年から2023年までに総輸出額257億ドルを記録し、主に衣料品、履物、旅行製品の分野に投資が集中しています。
また、カンボジア政府はSEZの成長を支えるため、新しい法案を含む企業へのインセンティブや透明性の向上に取り組んでいて、エレクトロニクス、自動車部品、太陽光発電など幅広い分野に投資を引き寄せており、経済の多様化を促進しています。
今後のさらなるSEZの発展のための課題と方針がいくつか挙げられているので紹介します。
- インフラの改善の必要性: カンボジアは電力や物流、交通の面でインフラをさらに改善する必要があります。他の近隣諸国がより良いインフラを持っているため、世界の投資家を引き寄せ、輸出の多様化に影響を与えていることからも早期整備が必要になります。
- 電力価格の高騰: カンボジアの産業用電気料金は周辺地域内で最も高いとされています。この状況が改善されることで、より多くのSEZや製造業が生まれ、雇用が増加し、輸出バスケットが拡大して経済成長が促進につながります。
- 競争力の向上: 人件費については競争力があるものの、今後は、さらにインフラの改善やインセンティブの提供に焦点を当てる必要があります。これにより、カンボジアのSEZが投資家にとって魅力的なものになり、国内外の企業がチャンスを見つけやすくなります。
- 外国投資の継続的な誘致: SEZの成長には外国からの投資が不可欠です。政府は透明性の向上や公正な競争の促進を通じて、外国投資家がSEZでビジネスを行いやすい環境を提供する必要があります。これにより、SEZがカンボジアの発展に寄与し続けることが期待されます。
これらの課題に対処することで、カンボジアのSEZは将来的な発展と国の経済の主要な原動力となっていくとのことです。
近年、プノンペンとシアヌークビルを結ぶ新しい高速道路が2023年に開通したりと、インフラへの多額の投資が行われており、電力供給についても近年はるかに安定してきており、SEZがその敷地内に独自の発電所を所有していたりします。
電力価格は他の一部の東南アジア諸国に比べて依然として高いものの、より多くの水力発電所の開発と政府による最近の再生可能エネルギーへの推進により、供給と価格競争力の両方が今後改善されると思います。
日本と新たに「カンボジア・日本経済特別区」の設立が検討されていたりと、今後のSEZの拡大についてカンボジア政府は積極的かと思いますので今後に期待です!!
それではまた!!