土地の所有ができないことから東南アジアの不動産投資といえばコンドミニアム(日本でいうマンション)の購入のイメージが強いと思います。
カンボジアでも外国人が不動産に投資をするとなると、王道はコンドミニアムの購入になります!!
※カンボジアではStrataタイトル(区分所有権)の付与は外国人にも認められています。
以下参考までに、東南アジア各国の不動産の所有権事情となります。
土地付住宅購入(所有権) | コンド購入(所有権) | 住宅ローン | 売買契約書(英語) | |
カンボジア | ✕ | ○ | ○ | ○ |
マレーシア | ○(一部州は不可) | ○ | ○ | ○ |
シンガポール | ✕(一部を除く) | ○ | ○ | ○ |
フィリピン | ✕ | ○ | ○ | ○ |
タイ | ✕ | ○ | △ | ✕ |
インドネシア | ✕ | △ | ✕ | ✕ |
ベトナム | ✕ | ✕ | △ | ✕ |
参考元:FORELAND マレーシア不動産情報サイト
※ベトナムに関しましては、社会主義国家なので購入時は長期賃借権(使用権)の売買になるようですね。その他の国に関しましても詳しい情報を知っている方はご連絡ください!!
しかし欲を言えば…将来大きなキャピタルゲインを得る可能性がある郊外の土地や、転売時に実需が見込める土地付き住宅の購入を狙いたいですよね?
上記の通り、カンボジアでは現地人以外の土地の所有は原則認められていないのですが、実は所有または投資をする方法はあるのです!!
今回はその方法を解説していきたいと思います!!
投資家による土地保有は、カンボジア市民権を有する自然人かカンボジア企業に限って可能であるが、土地使用については、カンボジア政府との契約による土地使用(コンセッション)、15年以上50年を期限とする永借権に基づく長期賃借(最長50年ごとの更新可能)、更新可能な有期の短期賃借等が、外国市民にも認められている。
引用元:外資に関する規制
・法人による土地の所有・投資
株式の51%以上をカンボジアの事業体によって保有されている企業であればカンボジアの不動産を所有することが可能です。
つまり、残りの49%の株式を外国企業が保有していても問題ないということです!!
これによって、外国企業でも現地企業と合弁会社を設立することで会社を通じて合法的に土地の所有権が持てるということになります。
ちなみに、カンボジアの投資法では投資家は土地を最長50年の長期賃借することが可能とされています。また、更新も可能です!!
この法律を利用して、外国企業は別に100%持株の会社を1社設立しその会社に土地を長期でリースすることにより土地を長期的に管理することができます。
この場合、借主と貸主の同意なしに土地を売却することはできません。
つまり、この土地に関するすべての取引が外国企業による了承がないと行えないという状態を作り出すことができるのです。
※カンボジアでは土地所有等の規制・禁止はあるものの基本的に外資規制はありません。100%外資の企業を設立することができます。
このようにして、外国企業は自ら投資した土地を合法的に保護することが可能になります!!
・土地保有信託サービスを利用して土地に投資する
カンボジアで土地保有信託サービスといえば、最大手銀行として知られるカナディア銀行(CANADIA BANK)の完全子会社であるカナトラスト(CANA TRUST)が有名ですね!!
土地保有信託サービスと言われてもパッと来ないと思うので簡単に説明すると、
自分に代わり信頼できる人(会社)に土地などの財産を託し、保有・管理してもらうサービスのことです。
信託費用をカナトラストに支払い信託契約を締結することで、土地を所有できない外国人の代わりに土地を所有・管理してもらい、その土地から発生する利益や将来売却時の利益はいただきますよというものです。
日本でいうと信託受益権を保有するという感じですね!!
カナトラスト以外にもこのサービスを提供している企業はありますが、安心を買うという意味では現時点ではカナトラストが良いのかなという気がします。
・市民権を取得して土地を所有する
1996年に定められた国籍法により、外国人は国内での投資額に基づいてカンボジアの市民権を申請することが可能になりました。
この市民権が付与されると、外国人は自分の名前で土地や財産を所有できるようになるのです!!
カンボジアで外国人が市民権を申請するためには、7年間(カンボジアで生まれた場合は3年間)居住を維持し、クメールの歴史、言語、伝統を知るという条件があります。
しかし、外国人が国庫に33万ドルを寄付した場合、7年間の居住要件は免除されることになります!!カンボジアの市民権法に関する法律は現在改正されているようなので、頻繁に要件は変わっていきそうです。2022年7月22日よりカンボジアマイセカンドホーム(CM2H)プロジェクトが正式に開始され、許可が降りた外国人投資家は、期間10年間のゴールデンビザが発行され、この間は無制限で出入国が可能になります。
また、適格な申請者は5年後にカンボジアの市民権(パスポート)を申請することができ、アセアンの市民権のすべての利点も享受できるとのことです。
・番外編:政府との契約による土地使用(コンセッション)
これまでと少し違って、キャピタルゲインを得るという目的で投資はできませんが、政府から許可をもらって個人または法人が土地の権利を占有、使用、行使することができるのがこのコンセッションです。
経済的土地コンセッション(ELC)は最も人気のあるコンセッションであり、一般的に農業プロジェクトに割り当てられるようです。
さらに、ELCにより投資家は産業目的で土地を開拓することができます。
これに関しては土地を利用して収益を生み出すための方法なので、番外編という感じで捉えていただければと思います!!
また、土地の長期賃借も同じ理由で今回は詳しく説明しません。
・グレーライン:名義貸しと長期賃借を組み合わせた投資
これは簡単にいうと、
カンボジア人に名義を借りて土地を取得し、長期賃借契約でその土地を管理する
という方法です。
一番最初に紹介した法人所有に似ていますね。
これに関しては、有効な法的構造ではないため弁護士等の専門家に間に入ってもらうことを強くお勧めします。
合法とまでは言えないと思うのですが、弁護士にお願いして名義貸し(ノミニー)契約書を作ってもらうことは良くあるなという印象です。
以前、カンボジアのとある銀行で住宅ローンについての質問をしにいった時に、その銀行の支店長から
ノミニーで土地付き戸建を買いたいのかい!?融資できるよ!!
と言われました!笑
これは2019年頃だったので今も名義貸しでの契約に住宅ローンを融資してくれるかは分かりません…
しかし、銀行が融資を出すほど周知されている方法とも言えますね。
この方法に関してはかなりリスクが高いので、よほど信頼できるパートナーでない限り、個人的には信託サービスの利用をお勧めします!!
・最後に
カンボジア不動産投資の王道といえば、外国人でも所有権を取得できるコンドミニアムの購入です。
しかし、より多くの選択肢の中からどのように投資するかを判断することが海外不動産投資の醍醐味だと思いますので、今回の記事を参考にしていただけると嬉しいです!!
今回も軽く触れていますが、不動産の所有以外にもカンボジア不動産に投資する方法はありますので今後記事にできたらと考えています!!
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