カンボジア国立銀行(NBC)の第1四半期報告によると、2025年上半期の経済成長率は5.9%で、製造業、観光業、農業が好調でした。
インフレ率は主に食品価格上昇により3.5%、リエルは対米ドルで1.6%上昇しました。
国際収支は黒字を維持し、外貨準備高は248億ドル(輸入7.5か月分)に拡大。
銀行セクターも資本・流動性が健全でしたが、不良債権比率は8.3%に上昇しています。
報告書数値一覧表
分野 | 数値 | 内容 |
---|---|---|
経済成長 | 5.9% | 2025年上半期のGDP成長率 |
インフレ率 | 3.5% | 主に食品価格上昇による上半期のインフレ率 |
為替レート | 4,011リエル/USD | 上半期平均レート |
+1.6% | 前年同期比リエルの上昇率 | |
国際収支 | 2億7,550万USD | 黒字額 |
外貨準備高 | 248億USD | 輸入7.5か月分に相当 |
銀行セクター資産増加率 | +7.3% | 上半期の資産増加 |
信用残高増加率 | +2.9% | 上半期の信用残高増加 |
預金残高増加率 | +14.5% | 上半期の預金残高増加 |
不良債権比率 | 8.3% | 上半期のNPL比率 |
自己資本比率(預金取扱金融機関) | 22.8% | 規制最低基準15%以上 |
自己資本比率(非預金取扱金融機関) | 31.6% | 規制最低基準15%以上 |
流動性比率 | 185% | 規制最低基準100%以上 |
輸出貢献度 | 30〜40% | GDPに占める輸出の割合 |
米国向け輸出増加率 | +25% | 上半期の米国向け輸出伸び率 |
米国経済成長率 | 約+1%超 | 2025年上半期の成長率 |
米国関税率(特恵貿易) | 19% | カンボジア製衣料への米国関税率 |
NBCは世界的な保護主義や地政学的緊張など外部リスクが高まる中、金融安定を重視し、金利引き下げや融資再編を進めています。
経済学者や経営者は、デジタル・グリーン成長の推進、貿易多様化、インフラ投資、人材育成などによる競争力強化を提言。
特に米国市場への輸出拡大やASEAN自動車製造拠点化が重要とされます。
ただし、米国の需要鈍化や関税不透明感、タイとの国境問題、世界経済減速は下半期の成長を圧迫する可能性があります。
NBCは物価・為替安定を軸に柔軟な政策を維持し、銀行システム強化や決済のデジタル化、グリーン金融導入を進め、長期的な経済安定と持続的成長を目指すとしています。
上半期は米国関税引き上げ前の駆け込み輸出があったことで製造業は伸びを見せた感じでしょうか。
米国相互関税に関しては当初の49%から19%まで下がったので、当初予定していたダメージよりは少なくなりそうです!!
一方で、タイとの国境紛争は停戦したものの、カンボジアの観光業や貿易には大きなダメージを及ぼすことが予想されます。
下半期の数字が来年以降の数字の目安になると思うので、しっかりと情報を追っていきたいと思います。
それではまた!!
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501733078/growth-trajectory-despite-headwinds-cambodias-economy-posts-nearly-6-growth/