カンボジアと中国は2025年4月17日、プノンペンでフナン・テチョ運河の名で知られている「フナン・テチョ総合水資源管理プロジェクト(FTC)」に関する5つの協定に正式に署名しました。
このプロジェクトは、両国の経済協力を象徴するもので、「一帯一路」構想と「ダイヤモンド協力」枠組みの一環として進められています。
調印式には、カンボジア開発評議会(CDC)の第一副議長であり副首相のスン・チャントール氏と、中国交通建設会社(CCCC)の王通州会長が出席しました。
プロジェクトには、同社の子会社である中国道路橋梁総公司(CRBC)も関与しています。
今回の契約の内訳は以下の通りです:
- 株主間契約
- 投資契約
→ いずれも、フナン・テチョ・カナル・イノベスト社とCRBCの間で締結されました。 - 官民連携(PPP)契約
→ カンボジア政府と運河運営会社との間で結ばれました。 - 設計・調達・建設(EPC)契約
- 運営・保守契約
→ いずれもフナン・テチョ沿岸内陸水路会社とCRBCとの間で締結されました。
このプロジェクトには、公共事業運輸大臣のペン・ポニア氏や、カンボジアの大手開発企業OCICのプン・ケアブ・セ会長、各州の知事や関係企業の役員なども参加しています。
FTCプロジェクトは、カンボジアと中国が「未来を共有する共同体」を築くための重要なステップとされており、国内の物流、農業、水資源管理など市民生活に直結する分野にも大きな影響を与えると期待されています。
運河は、最大3,000トンの貨物船の航行が可能な設計となっており、メコン川と海をつなぐ役割を果たします。
また、運河はカンダール州、タケオ州、カンポット州、ケップ州の4州を通過する予定で、内陸水路輸送の大きな変革になるとみられています。
米国関税ショックで揺れる中で、さらに中国との繋がりが強くなっていきそうですね。
今までもインフラ開発の大部分は中国が関わっているので特に変わりはありませんが、あらかじめ決まっていたとはいえ習近平国家主席がこのタイミング(4/17~18)でカンボジアに訪れたのも何か意味がありそうな気がします。
今後の米中貿易摩擦とそれがカンボジアに及ぼす影響には注視していきたいです。
それではまた!!
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501671637/cambodia-china-ink-5-deals-on-ftc-project/