2025年上半期、カンボジアと東アジア地域包括的経済連携(RCEP)加盟国との貿易総額は197億ドルに達し、前年同期の169億ドルから16.5%の大幅な増加を記録しました。
商務省が発表した公式報告書によると、このうちカンボジアからの輸出額は50億3000万ドルで、前年同期の45億2000万ドルから11%増加。
一方、輸入額は146億7000万ドルで、前年の123億8000万ドルから18.5%増となっています。
RCEPは2022年に発効した世界最大級の自由貿易協定で、関税の引き下げや手続きの簡素化により、加盟国間の貿易促進を図るものです。
カンボジアにとって主要なRCEP貿易相手国は、中国、ベトナム、タイ、日本、シンガポールの5か国であり、これらとの経済連携が成長をけん引しています。
商務省のペン・ソビッチート国務長官は、米国による関税引き上げなど、世界的な保護主義の高まりを踏まえ、RCEPがカンボジアの輸出成長と外国直接投資(FDI)の呼び込みにおいて極めて重要な役割を果たしていると評価。
「RCEPによる特恵関税は、今後もカンボジアの輸出を後押しし続けるだろう」と述べています。
一方で、最近のカンボジアとタイとの国境問題の影響にも注意が必要です。
軍事的緊張や貿易検問所の一時閉鎖は、タイとの貿易に支障を来す可能性があり、RCEP全体の貿易拡大に水を差すリスクもあります。
とくにタイはカンボジアにとって重要な貿易相手国の一つであり、両国関係の安定がRCEP枠組みの中でも極めて重要となります。
今後は、RCEPを活用した貿易拡大の流れを維持しつつ、地域の地政学的リスクにも配慮した外交・経済政策が求められます。
米国とタイはカンボジアにとって重要な貿易国なので、カンボジア経済に大きな影響が出ないか不安なところです。
経済の多様化という意味でも、他国との連携も強化していって欲しいですね!!
それではまた!!
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501718639/cambodias-trade-with-rcep-countries-reaches-nearly-20-bln-in-1st-half-of-the-year/
【カンボジア経済】貿易戦略にRCEPが追い風、タイとの緊張は懸念材料

記事内に広告が含まれています。