カンボジアの人口は2015年の約1,562万人から2024年には1,764万人へ増加し、都市化率も22.2%から26.0%へ上昇しました。
都市人口は約346万人から460万人へと拡大し、雇用や教育を求めて首都圏に移住する流れが続いています。
年 | 総人口(百万人) | 人口増加率(前年比, %) | 都市化率(%)* | 都市人口(百万人)* |
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2015 | 15.623 | – | 22.20 | 3.468 |
2016 | 15.853 | 1.48 | 22.65 | 3.592 |
2017 | 16.073 | 1.22 | 23.10 | 3.711 |
2018 | 16.275 | 1.26 | 23.55 | 3.833 |
2019 | 16.481 | 1.25 | 24.00 | 3.955 |
2020 | 16.725 | 1.32 | 24.45 | 4.091 |
2021 | 16.974 | 1.49 | 24.90 | 4.232 |
2022 | 17.202 | 1.35 | 25.35 | 4.361 |
2023 | 17.424 | 1.29 | 25.70 | 4.483 |
2024 | 17.639 | 1.23 | 26.04 | 4.591 |
※総人口は世界銀行WDI値(百万人換算)
※都市化率は 2015年22.2%(WDI)と2024年26.04%(WDI最新)を直線補間して算出(「*」印)
国内経済の中心であるプノンペンは、その一極集中の最大の受け皿となっており、今後も堅調な需要基盤が見込まれます。
2024年時点での推計人口は約228万人、世帯数は57万世帯規模になっています。
プノンペンの推計人口については2024年時点で約235万人や約240万人としているデータもありました。
年 | 人口(人) | 前年比人口増加率(%) | 平均世帯人数 | 世帯数(世帯) | 年間純増世帯(世帯) |
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2015 | 1,890,000 | ― | 4.25 | 445,000 | ― |
2016 | 1,950,000 | 3.17 | 4.22 | 462,000 | 17,000 |
2017 | 2,010,000 | 3.08 | 4.18 | 480,000 | 18,000 |
2018 | 2,070,000 | 2.99 | 4.15 | 499,000 | 19,000 |
2019 | 2,130,000 | 2.90 | 4.10 | 520,000 | 21,000 |
2020 | 2,160,000 | 1.41 | 4.08 | 529,000 | 9,000 |
2021 | 2,190,000 | 1.39 | 4.06 | 539,000 | 10,000 |
2022 | 2,220,000 | 1.37 | 4.04 | 550,000 | 11,000 |
2023 | 2,250,000 | 1.35 | 4.02 | 560,000 | 10,000 |
2024 | 2,280,000 | 1.33 | 4.00 | 570,000 | 10,000 |
※人口データは、2019年の国勢調査(NIS)とMacrotrendsの都市圏推計を基に補間しています。
※平均世帯人数は、国勢調査の全国平均(2019年:4.1人)を参考に、年次ごとに漸減しています。
※世帯数は、人口 ÷ 平均世帯人数で算出しています。
世帯規模は縮小傾向にあり、住宅需要を押し上げる要因となりそうですね。
また、政府は2035年までにプノンペンの人口を600万人規模まで押し上げる計画を発表しているので、プノンペンへの人口流入が加速していく可能性があります。
また、物理的にプノンペンを拡張していくことも考えられますね。
実際に、2019年頃に一度プノンペンが拡張されました。
加えて、テチョ国際空港の開業をはじめとするインフラ整備や観光・物流の拡大が、外資系企業や外国人駐在員の流入を後押しする可能性があります。
2030年〜2035年には現在行われているプノンペンを起点とした高速道路、運河、空港、鉄道などの大規模なインフラ整備が完了し始めるので注目です。
一方で、賃貸物件に関しては供給過剰が続けば空室率上昇や賃料調整リスクも伴います。
実際に供給過剰エリアでは空室率上昇や賃料調整が起きていると感じています。
一昔前とは違って、借り手は物件を選べる状態になっているので、物件の品質が大切になってくることは間違い無いですね。
また、プノンペンの過去の推計を見るにこれから数年は少なくとも世帯数が毎年8000〜10,000近くは増えていくと思います。
そのうちの40%程度が賃貸物件に住むと仮定すると、3000〜4000戸くらいは毎年新規賃貸需要が発生する可能性があるので、需給のバランスによって市場が安定していくことに期待です。
総じて、プノンペンの住宅市場は人口増加・都市化・世帯小規模化の三要素を背景に、中長期的に安定した賃貸需要を形成していくポテンシャルはあると思います。
また、カンボジアは2050年までに高所得国入り、2030年までに上位中所得国入りを目指し、2029年までに後発開発途上国(LDC)の地位から脱却するという目標に向かって進んでいるので、賃料が安定していくことにも期待したいですね!!
それではまた!!