フナン・テチョ運河プロジェクトは、カンボジアの経済発展と戦略的地位向上を目指す大規模な計画です。
現在、カンボジアは中国からの原材料の輸入や米国や西側諸国への商品の輸出においてベトナムの港に大きく依存し、それには大きなコストがかかっています。
このプロジェクトは、ベトナムの港の依存を減らすことに繋がり、大きな経済効果をもたらすとされています。
開発プロジェクトの推定コストは17億ドルで、完了までに約4年かかると予想されています。
全長は180kmで、この運河はカンダール、タケオ、カンポットを経由してケップ州まで続き、水路の両側に3つの水門、11の橋、208kmの新しい道路が必要になると予想されています。
また、運河の幅は上流部で100メートル、下流部で80メートル、深さは5.4メートルで2つの航路で相互運行することが予定されています。
このプロジェクトは、バサック川とケップ海岸を結ぶ運河に沿ったカンボジア経済の商業物流の改善を目的としていて、メコン川水系を海に接続し、道路網を乱すことなく首都と海岸間の貿易や移動を促進する船舶のアクセスを可能にします。
また、目的地となるカンポットやケップは、観光と投資の評判が高まっている場所でして、運河の開発計画によりこの評判は今後も続くと予想されています。
道路網も新たつくられることから、周辺地域の経済発展にも期待できそうです。
一方で、懸念点としては以下2点が挙げられています。
- ベトナムとの関係
フナン・テチョ運河の建設はカンボジアに対するベトナムの影響力の低下を意味し、二国間関係が緊張する可能性があります。 - 中国の間の経済的依存の深化
中国の国営企業CBRCは、建設・運営・譲渡(BOT)契約を通じてフナン・テチョ運河プロジェクトに投資する契約をカンボジア政府と締結しました。この投資は、カンボジアと中国の間の経済的依存の深化を浮き彫りにし、カンボジアの経済成長は中国の支援に支えられることになります。
一部のアナリストは、フン・マネット氏のリーダーシップと新しいカンボジア王立政府の下で外交力学が変化していると語り、前政権とは異なり、ベトナム政府との特別な関係はないようだと語っています。
したがって、運河建設に関するベトナムの懸念に対処し、プロジェクトを推進することで、カンボジアは現首相の地位と人気を高めることができるかもしれないとしています。
カンボジアのインフラ開発には中国の支援は欠かせないので、中国との関係については上手く付き合っていく必要があると思います。
依存しすぎずに、適切な距離を保ちつつ経済成長に向かって欲しいですね。
それではまた!!