衣料品・繊維製品の世界市場では、カンボジアはベトナムやバングラデシュ、タイ、スリランカなどと競争しています。
しかし、インドが今後この分野で有力な競争相手として台頭する可能性があると、インドステイト銀行(SBI)の最新報告書が指摘しています。特に、米国による「トランプ関税」の影響で貿易構造が変化し、新たな勝者と敗者が生まれるとされています。
SBIは、インドが現在米国衣料品市場で6%のシェアを持っており、他国から5%分のシェアを奪えば、国内総生産(GDP)が0.1%増加すると試算しています。
また、インドは繊維分野での比較優位(RCA)を有し、米国向け輸出でも競争力を持っています。
一方、バングラデシュやカンボジア、インドネシアなどの輸出国は、関税の変更により不利な立場に置かれており、インドにとっては市場シェア拡大の好機といえます。
インドの繊維・衣料品産業は年間1800億ドル以上の規模を誇り、4,500万人以上を雇用する重要産業です。
2028年には3873億ドルまで成長すると予測されており、年平均成長率は約15%です。
カンボジア繊維・アパレル・履物・旅行用品協会のロバート・ファン副会長は、米国との関税交渉を政府に期待すると述べています。
経済学者のセン・ホン氏は、米国の関税政策は予測が難しく、将来的にインドへの関税が上がる可能性も否定できないと警鐘を鳴らします。
カンボジアのGFT(衣料品・履物・旅行用品)輸出は2024年に137億4000万ドルに達し、前年比23.78%増となりました。これは同国の輸出全体の52.46%を占める重要な柱です。
しかし、米国による36%の関税措置により、今後15〜30%の輸出減少の可能性も指摘されています。
こうした情勢の中、カンボジアはイノベーションと輸出先の多様化によって、厳しい競争を乗り越える必要があります。
今後のカンボジア経済の成長にとって厳しい状況にありますが、輸出先の多様化や製品の多様化に力を入れて、より一層盤石な経済基盤を作っていって欲しいものです。
それではまた!!
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501718408/india-likely-to-be-a-competitor-to-cambodia-in-garment-exports/
【カンボジア経済】衣料品産業に試練、インドの台頭と米国の関税

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