カンボジアの仮想通貨市場は、ここ数年で大きく変化しています。
2024年末には国立銀行(NBC)が新たな規制を施行し、条件付きでの暗号資産取引が可能になりました。
しかし、国内で認可された取引所は限られており、Binanceなどの海外取引所利用には規制リスクも存在します。
本記事では、2025年最新のカンボジア仮想通貨規制、認可取引所の一覧、海外取引所の現状、そして公共決済システム「Bakong」との違いまで、簡潔にまとめていきたいと思います!!
1. カンボジアの仮想通貨規制はどうなっている?
カンボジアの仮想通貨(暗号資産)に関する規制は、ここ数年で大きく変化しています。
以前はカンボジア国立銀行(NBC)、証券取引規制当局(SERC)、財務経済省が共同で、無許可での仮想通貨取引やICOの提供を禁止していました。
しかし、2024年12月にNBCが新たな規制(Prakas B7-024-735)を施行。
これにより、条件付きで仮想通貨の取り扱いが可能になっています。
- 認可対象:商業銀行、決済サービス事業者
- 取り扱い可能資産:ステーブルコイン、裏付け資産型暗号資産(法定通貨・貴金属で担保されたもの)
- 主な条件:
- NBCの事前承認
- 保有上限(CET1資本比率への影響あり)
- AML/CFT(マネロン・テロ資金供与防止)体制の構築
- 定期的な報告義務
2. 認可されたカンボジア国内の仮想通貨取引所
現在、NBCが公表しているフィンテック・レギュラトリー・サンドボックス参加事業者の中で、仮想通貨関連サービスを提供するのは以下の企業です。
※フィンテック・レギュラトリー・サンドボックス:新しい技術やビジネスモデルの実証実験を、既存の規制にとらわれずに一時的に免除することで、迅速な事業化を促進する制度のこと
Royal Group Exchange(RGX)
- カンボジア最大の財閥である「Royal Group」が運営
- カンボジアリエル(KHR)と暗号資産の交換サービスを提供予定
- ウォレット・送金・決済機能も搭載
カンボジアリエル(KHR)と暗号資産の交換サービスを提供がスタートすれば、今後より多くのユーザー獲得につながると思います!!
3. カンボジアで人気のある国際仮想通貨取引所
カンボジア国内ユーザーは、規制前から以下の海外取引所を積極的に利用してきました。
- Binance
- OKX
- Bybit
- Kraken
特にBinanceのP2P取引は人気が高いですが、SERCのライセンスを取得していないため、2024年には通信規制当局(TRC)によるアクセス制限が行われた事例もあります。
特にバイナンスのカンボジア国内ユーザーは20万人にも及ぶと言われています。
大手取引所のなので安心感はありますがカンボジアで利用する際、アクセス制限には注意ですね。
一方で、バイナンスは、カンボジア証券取引所規制当局(SERC)との国内の暗号資産規制を策定するための支援をしているので今後の動向に注目です。
4. バコン(Bakong)と仮想通貨の違い
NBCが主導するBakongは、ブロックチェーン技術を利用した電子決済・送金システムです。
- CBDC(中央銀行デジタル通貨)ではない
- 法定通貨リエルをデジタルで利用可能
- 銀行口座を持たない人にも送金サービスを提供
仮想通貨のように価格変動はなく、国内のキャッシュレス化とリエル利用促進が目的です。
近年では周辺国との越境QR決済の接続により利用の幅が増えてきていますね!!
日本のJPQRとも接続しているのでこれからの利用拡大に期待です。
5. カンボジア仮想通貨市場の課題
- 詐欺・違法利用:一部の詐欺組織やスキャムセンターが暗号資産を悪用
- 法整備の遅れ:包括的な暗号資産法は未整備
- 国際取引所アクセス制限:Binanceなど未認可の海外取引所に規制リスク
6. カンボジア仮想通貨についてのまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
法的立場 | 無許可取引は禁止、認可事業者は条件付きで取扱可 |
認可国内取引所 | Royal Group Exchange(RGX) |
人気の海外取引所 | Binance、OKX、Bybit、Kraken |
公共決済システム | Bakong(CBDCではない) |
主な課題 | 詐欺被害、法整備遅れ、アクセス制限 |
今後もカンボジアの仮想通貨(暗号資産)関連の情報がアップデートされたら記事にしていきます!!
それではまた!!